強打レシーブ(ディグ)

強打レシーブのコツ


強打レシーブ(ディグともいいます)は相手から打たれた速いスパイクを、ボールの勢いを殺してセッターに優しく返せるようにするプレーです。強く速いスパイクをきっちりと狙ってコントロールすることは実際にはかなり難しいですし、速いボールに対しての恐怖心がある場合もあると思います。しかしいくつかのコツを押さえれば、セッターがトスをしやすい優しいボールをあげれるようになるのでしっかりとここでマスターしていきましょう!

強打レシーブのコツは主に3つあります

  • スプリットステップを入れる
  • 手の面とおへそをセッターにむける
  • ボールの勢いを殺す


それぞれ順番に解説していきます。

スプリットステップを入れる


レシーブの反応速度をあげるためのひとつのテクニックとしてスプリットステップというものがあります。

スプリットステップとは、ボールが来る直前に少しだけ両足を浮かして体の重心をリセットする動きのことです。バレーだけではなく、テニスなどのスポーツでも動き出しを速くするために用いられます。このスプリットステップを入れることによって、1歩目の動き出しが早くなり反応速度アップに繋がります。


動画の動きからもわかるように、打たれる瞬間に両足が地面から離れているのが確認できましたか?これがスプリットステップと言われる動きです。

スプリットステップの注意点としては、腰を折り曲げてタイミングをとってしまったり、ジャンプしすぎて身体が上下左右してしまうことが挙げられます。

基本的には、ほんの数ミリ両足を浮かしてできるだけ目線はブラさないようにすることが理想です。スプリットステップができるようになると左右前後どこでも動きやすくなるので、強打レシーブの際にはぜひ取り入れてみましょう。

ただし明らかなチャンスボールなどはスプリットステップは不要です。強打レシーブやサーブカットでやるようにしてみてください。

手の面とおへそをセッターに向ける


強打レシーブだけに限ったことではありませんが、レシーブでは手の面の角度が非常に重要です。レシーブの手の面がしっかりと上げたい方向にむいてないければ、上手くコントロールはできません。

また、それとは逆でもどんなに体勢が悪くても、例え片手でレシーブをしても、手の面がしっかりと上げたい方向にさえむいていればボールはきっちりと返球できます。

特にボールが正面以外の左右にきたときには、手の面をセッターの方向にむけるだけではなく、おへそもセッターに向けるような意識でやってみるとより正確に返球することができます。上げたあとにも、しっかりと狙いたい方向にボールを見るようにしましょう。目線を外してしまうのはNGです。

また、手の面をセッターに向けるときには、アンダーの手を組んでいる親指をセッターに向けるようにしてみると自然とセッターの方向にむくのでイメージしながらやってみてください。

ボールの勢いを殺す


私はセッター経験があるのでセッターの気持ちは分かるのですが、強打レシーブを高く上げられると結構トスをすることが難しいです…。また、自分のコート内がバタバタしてしまい、次につなげにくうなってしまうので失点する確率も高くなります。

だからこそ、強打レシーブで大事にしてほしいことのひとつとして”ボールの勢いを殺す”ことがあります。

ボールの勢いを殺すことのポイントとしては、スポンジをイメージすることです。強打を固い壁にぶつけたらかなり強い勢いで跳ね返ってきます。しかしスポンジだとそのボールの勢いを吸収してくれます。レシーブでも自分の身体をスポンジだと思ってボールの勢いを殺すようにしましょう。

そのときのコツとしては

ボールを上げたあとに体の力をスッと抜いてあげること


このときに、強いボールに対して身体がガチガチになったり、腕を振ってしまわないように注意しましょう。ボールが手に当たる一瞬だけに手の面に力を入れて、そのあとは身体(特に肩やヒジ)の力を抜く意識でやってみてください。また。手は振らずに当てるだけにしましょう。


強打レシーブはボールのスピードに慣れることも大事です!練習の中で速いボールに慣れるようにしていきましょう。

上手くいかない人がやりがちなNG例


ディグ(強打レシーブ)がなかなか上手くならない人、いつもはじいてばっかりの人がよくやってしまっているNG例をお伝えしていこうと思います。(レセプション編と共通しているものもあります)

✖高い姿勢から低い姿勢になってレシーブしようとしている

→このNG例をやってしまっている人は正直めちゃくちゃ多いです。どういうことか説明をすると、姿勢の高い構えから、打たれた瞬間にしゃがむようにしてレシーブをしてしまっている状態になっていること。(下の画像のようなイメージです)

このような状態になってしまうと、反応が1歩遅れてしまったり上手く安定して上がらないことが多くなってしまいます。常に低い姿勢で構えて下から上に取りにいくようなイメージをもってやるようにしましょう。

✖あごが上がっている

→レシーブ初級編でもお伝えしたように、あごが上がってしまっていると取る瞬間にボールも手も視野に入っていない状態になっています。ボールに上手く力が伝わらずに、コントロールも難しくなってしまうのでアゴを引いて視野の中に手の面が入るようにしましょう。

✖体の後ろ側でとっている

→下の図のように、体の前側でボールを捉えることができずに後ろでボールを触ってしまうとはじいてしまう確率が増えます。常に体の前側でボールを触れるように意識しましょう。


✖お尻が引けている

→レシーブをする瞬間にお尻が突き出るような形(腰が引けている状態)になってしまうとレシーブは上手くいきません。お尻が突き出るような形にならないように、逆に腰を前に前にボールに対してぶつけにいくような感覚をもってレシーブをしてみましょう。


✖打たれる前に正面で手を組んでいる

→正面のボールを取る練習ばかりをしている選手に多いのですが、打たれる前にすでに正面に手を組んでそこから横のボールを取りにいってしまう人がいます。正面で手を組んでそこから動かすとなるとワンテンポ遅れてしまうので、ボールに対して最短距離で手を組むことができるようにしましょう。


✖手を組んだまま移動している

→レシーブの手を組んだまま走ってしまうとスピードが落ちてしまいます。手を組んだままボールを追っかけるのではなく、先に足を動かして走って移動をして、その後に手を組んでボールをあげるようにしましょう。

✖打たれる前に無駄な動きを入れてリズムをとっている

→打たれる前に肘を折りたたむような動作を入れてしまったり、ぴょんぴょんと跳ねるような動作を入れてタイミングを取ってしまう人がいますがNGです。出来るだけ無駄のない動きをするようにしましょう。


✖打たれる瞬間にかかとに重心がのっている

→かかとに重心がのっていると前にきたボールに対して反応が遅れてしまいます。母指球に力を入れるようなイメージで前重心で構えるようにしましょう。

✖打たれる瞬間に左右どちらだけに重心が偏っている

→打たれる前から左右どちらかだけに重心が偏ってしまっていると、反対に打たれたときに反応ができなくなってしまいます。スプリットステップを入れて左右の重心をリセットしてからレシーブをするようにしましょう。