セッターのトスの基本

セッターの基本


セッターはチームの司令塔とも呼ばれますが、バレーボールにおいては非常に重要なポジションです。トスをあげるだけではなく、セッターのゲームメイクによっても勝敗は決まるため責任は重大ですが、できるようになればなるほど面白いポジションでもあります。まずはトスのコツを身につけてしっかりとトスがあげれるようにやっていきましょう。

右軸でトスをあげる

まずセッターの基本として右軸でトスをあげることは必ず意識するようにしよう。

右軸についてもっと詳しく説明すると

  • 右目
  • 右肩
  • 右足

が一直線になるように、身体の右側でボールをとらえると良いトスがあがってドリブルも減ります。


これとは反対に頭の左側でボールを捉えてしまうと、軸がブレブレになってしまい腕の力や他の変な力でトスしようとしてしまいドリブルの原因になってしまいます。

頭の右側というと少し分かりにくいなという人は「右目でボールを捉える」という風に覚えておくと意識がしやすいと思います。

セッターのポイント

セッターはトスするときには右目を捉える。基本的に全て右軸

ちなみにプロ級のカテゴリーの映像を見てると、セッターが左目のあたりでボールをとらえていてもトスが上がってる場面がありますが、プロはかなりの数のトスの練習をしてきていることと、身体の使い方が上手いのでトスが綺麗きれいに上がっているのです。プロ級のセッターでも基本的には右軸で上げていますし、まだ筋力等も十分についていないあいだは右軸みぎじくであげることが基本です。

セッターに必要な3つの意識


セッターがトスをあげるために特に重要となる3つの意識があります。

  • トスをあげる体の向き
  • 常におでこの位置で捉える(バックトスも)
  • あげたいトスの軌道をイメージする意識

それぞれ順番に解説していきます。

トスをあげる身体の向き


セッターは基本的にはレフトのアンテナの方向に身体を向けたような状態でトスをあげます。ライトの場合も同じで背中がライト側のアンテナの方向を向いた状態でトスをあげます。(ただし上級者レベルになるとレシーブが乱れてもレフトに身体を向けたままライトにあげる場合もあります)。

ポイントとしてはレシーブが乱れたときに、エンドラインのほうにおへそを向けながら移動するのではなく、レフトの方向におへそを向けるような状態で落下点に入るようにしましょう。


常におでこの位置で捉える


セッターだけに限ったことではありませんが、基本的にオーバーパスは前にあげる場合にも真上にあげる場合でも、バックトスで後ろにあげる場合にも常におでこの位置でボールを捉えるようにします。

ただし、おでこの位置で捉えることを意識しすぎてボールを手だけ(上半身だけ)で追ってしまう場合がありますが、手でボールを追うのではなく、しっかりとまずは足を動かしてからボールの真下に入るように意識しましょう。ボールの真下に入ることができるとおでこの位置で捉えやすくなります。

あげたい軌道をイメージする


目標を定めずになんとなくの感覚でトスをあげてしまうと、スパイカーが打ちやすい綺麗なトスはなかなか上がりません。

ポイントとしては、針の穴に糸を通すようなイメージでしっかりとあげる場所を明確に頭のなかで定めてからトスをあげるようにしましょう。さらにトスをあげるときに頭の中でスパイカーが打つイメージをもっておくと打ちやすいトスがあがりやすいです。

どこにあげるべきか目標が1点に定まりにくいという人は、スパイカーにどこにあげてほしいかと聞いてみるといいと思います。レシーブが乱れたときにも、目標点は同じくぶらさないようにしましょう。

ライト側にトスをあげたあとまわる


ライト側にバックトスをあげたあとには、ネットの方向に回転することでバックトスが安定します。また、トスをしたあとのブロックフォローにもそのまま行くことができるので意識してみましょう。

ただし、”あげながらまわる”のではなく、”あげたあとにまわる”ようにしてください。あげながらまわってしまうとトスが逆に安定しなくなってしまいます。

トスをあげる前の構え方

最初から手をあげてボールを待ってしまったり、移動をしたり、手をぶら~んと下に下げた状態からいきなりトスをするとボールがきちんと手の中に入らずにトスがぶれてしまうことやドリブルしてしまうことが多くなってしまいます。

トスをあげる前には手首の力を抜いてあごの下あたりにセッティングしておきましょう。このときおばけ👻のポーズのように、脱力をしておくことが大事です。

その状態から、トスをあげる1秒前にスッと手をおでこにセットしてトスをあげましょう

毎回同じリズムでトスの手をつくることでスパイカーとしてもタイミングが取りやすくなります。

後ろ側にボールがきた場合

自分の後ろにボールがきた場合、後ろ走りのような形で移動してしまうと前にボールを飛ばすことができなくなってしまいます。

また、後ろ走りではそもそも素早く落下点に移動することもできません。

後ろにボールがきたときにはクロスステップで素早く落下点入り、右足を前にした状態(右軸の状態)でトスをあげるようにしてみてください。

このときも基本的なポイント(右軸、おでこで捉える、体重移動をする、あげたあとに手を残す)は同じです。