速攻のトスを合わせるコツ

速攻の種類

速攻のトスをあげるコツの解説に加えて、それぞれの速攻の種類と特徴をお伝えしていきます。

それぞれの速攻のメリットとデメリットをセッターが分かっておくことで、実際の試合でもコンビが組みやすくなるので頭に入れておいてください。

Aクイック

セッターの前側にあがる素早い攻撃のこと。

メリット

・速攻のなかでは一番スパイカーと合わせやすい
・相手のブロック完成前に素早く攻撃ができる

デメリット

・綺麗なレシーブが返ってこないと使えない

セッターがAクイックをあげる場合に意識をするコツとしては

・白帯の上にボールを置く（止めるような）イメージであげる

→Aクイックはトスを浮かせてしまうとタイミングが会わなくなってしまうことが多いです。どちらかというとトスを”あげる”というよりも、ちょこんと”触るだけ”のイメージが強いです。

それから少し上級者向けではありますが、左目でアタッカーがどのタイミングで入ってきているか（遅れていないか、速すぎないか）を感じながら合わせてあげるスキルも必要になってきます。

速攻を合わせるときにはどのクイックでもそうですが、”せーのっ！”と声を出すことでアタッカーと息が合うことも多いので声を出すことも合わせて意識してみてください。


速攻をあげるときにはトスの高さが白帯の下にならないように気をつけましょう。白帯の下にあげてしまうとスパイカーが返せなくなってしまいます。



Bクイック


レフトとセンターの間の位置に、ビュンっと突くような早いトスをあげて打つ速攻のこと。

メリット

・多少レシーブが乱れても使える速攻
・相手のブロックがつきにくい
・時間差などのコンビ攻撃を組み立てやすい

デメリット

・合わせるのが少し難しい（セッターの技術が必要）


セッターがBクイックをあげるときに意識すべきコツとしては

・親指に少し力を入れるイメージで素早くボールをつく

→Bクイックは少し距離のあるクイックなので、ボールを素早く突くようなトスが求められます。キレを出すためにも親指＆手首を素早く出すようなイメージであげるようにしましょう。

トスを突こうとしてしまうと、上げたあとに指が下を向いてしまう人がいますがそれはNGです。ボールが失速しないようにするためにも、上げたあとには通常のトスと同じように少し親指をくいッと上に向けるようなイメージでやってみてください。

基本的にはクイックはジャンプトスであげたほうがタイミングを合わせやすいです。




Cクイック


セッターの後ろ側にあがる素早いボールを打つ速攻のこと。イメージとしてはAクイックの後ろバージョン。

メリット

・左利きの人は打ちやすい
・相手レフトでブロック飛んだあとに入りやすい

デメリット

・Aクイックよりも合わせるのが難しい
・綺麗にレシーブがあがらないと使えない


セッターがCクイックをあげるときに意識することは、基本的にはAクイックとほぼ同じです。（Aクイックのライト側バージョンなので）。

ただし、バックトスであげるような形になるので上げる前に左目の視野でスパイカーがどのくらいのタイミングで入ってきているかを感じることができるように練習のときに意識してみてください。


Dクイック（ブロード）


Bクイックのライト版で突くようなボールを打つ速攻のこと。片足踏み切り（ブロード）で打つこともある。

メリット

・できるようになればかなりの武器になる
・相手がブロックをつきにくい

デメリット

・速攻の中で一番合わせるのが難しい


セッターがDクイックをあげるときに意識するポイントとしては

通常のライトにあげるオープントスよりも手首の出し方と背中の反り方に勢いをつける

→DクイックはBクイックのライト側のようなイメージなので、素早く突くようなトスが求められます。Dクイックはセッターの視野にアタッカーが入らないことが多いので、トスの距離感やスピードを感覚的に覚えることが求められますが、白帯の上をスッと通すようなイメージでやってみるとやりやすいです。

スパイカーによって助走のキレや入り方、打点も違うので、チームメイトと会話を重ねながらやるようにしてみてください！どんなトスがイメージがつかないときにはスパイカーに理想のトスを手投げしてもらうといいと思います。

速攻を合わせるときのコツ


ボールが失速するようなトスになってしまうとスパイカーとタイミングが合わなくなったり、スパイカーからするととても打ちにくくなってしまいます。

トスが失速しないようにするためには、①親指でボールを押し出してあげるイメージ（人差し指で押してしまうとボールが前回転っぽくなってしまい失速してしまう、親指から押し出してあげるようにしてボールに逆回転をかけるようなイメージをもってトス）②鎖骨を下に向けるのではなくトスするときに鎖骨を天井に向けるようにしてトス（鎖骨が下にむくと猫背っぽくなり失速しやすいです）

この2つをまずは意識してみましょう！また軌道のイメージをもってトスすることもとても大事です。



そして速攻を合わせるときにはボールだけを見るのではなく、必ずスパイカーがどのタイミングで入っているかを見て合わせるという意識をもってみましょう。
見る方法は

①スパイカーが助走開始するタイミングでボールから一瞬目を話してスパイカーを見る
②ボールにずっと視点を合わせたままで左目の視野でスパイカーを見る

が基本になります。（自分の前側であげるAやBクイックだけではなく、後方のCやDクイックをあげるときも同様にスパイカーを見ることが大事です）

ボールを見ながら視野でスパイカーがいつのタイミングで助走しているかを把握するようにしてみましょう。そのうえでクイックを使うときにはスパイカーの最高到達に「置いてあげる」という感覚をもってトスアップしてみてください。