ゲームメイク編

ここでは実際の試合の流れを考えながらそのときに応じたベストな対処法ができるようにしていきます!

試合前の入り

まず試合前に一番大事なことは「コンディション調整」です。身体のコンディションだけじゃなくて心も準備万端にすることが大事。そしてメンタルに2つの準備の方法があります。

メンタル面の準備法

その①試合の1週間前くらいから徐々にスイッチを入れはじめる
その②試合前まではリラックスして直前にスイッチを入れる

試合のスイッチを入れるベストタイミングは人によって違いますが、自分はどっちのタイプのほうがより集中して試合にのぞむことができるのかを把握しておくとよいです。

さて、心の準備と同様に重要となるのが身体のほうのウォームアップです。ここでは試合前のウォームアップのコツについて話していきます。

まずウォームアップするときに一番重要なポイントがひとつ

ウォームアップのポイント

身体の全筋肉を目覚めさせるようにすること

特に朝の一番始めの試合は目は覚めていても筋肉が寝た状態で、朝や午前中の試合で本領発揮できないとう選手はかなり多いです。だからこそしっかりとウォームアップをしておかなければ、最初の試合で思うように身体が動かずミスを連発する結果につながってしまいます。

もちろんチームごとによって試合目のアップを全員で行う場合もあると思いますが、私の理想のウォームアップはこのような流れです

  • 軽いジョギングで身体を温める
  • ストレッチ(しっかりと筋肉を伸ばす)
  • 動的ストレッチ(動かしながら筋肉を伸ばす)
  • 瞬発系のアップ(徐々に動きを強めていく。ダッシュや切り返し、ジャンプ系を入れると〇)
  • 試合本番まで身体を冷やさないように維持する

特に冬場の場合には血流をよくして身体全体をあっためたあとに、試合開始直前まで身体を冷やさないようにしましょう。ギリギリまで上着を着ておくことをおススメします。

試合前の公式練習


試合前の練習ではただボールに触れるだけではなく、公式練習でやったほうがいいことを頭に入れておくことで試合の序盤に好スタートをきることができるようになります。試合前の公式練習でやるべきことは主に2つです。

公式練習のポイント

・ボールにたくさん触れて感覚をつかむこと
・相手を観察すること

相手を見ることは少し上級者編なのですが、相手を観察することによって試合を有利に進めることができやすくなります。

試合前の公式練習で特に見てほしいポイントはズバリ

公式練習で相手を見るポイント

・相手がどんな攻撃をしてくるか(速攻があるか、トスの高さはどのくらいか)
・相手のエーススパイカーは誰か、セッターは背番号何番か
・相手の雰囲気や調子(調子の悪そうな選手、動きが固い選手がいないか)


あたり前ですが、相手のことを観察しすぎて自分のアップがおろそかになってしまうことは絶対に避けましょう!自分のアップで手一杯なら相手のことは気にしなくていいです。自分のことやチームのことをやりつつも余裕がある場合には相手の観察をするようにしましょう。

試合開始


最初の1本はものすごく緊張すると思いますが、それはどのスポーツでも同じだと思います。もちろん出だしがいいに越したことはないので1本目はきっちりと点を取るのが理想です。もちろん相手に取られるときもあるけど気にしなくて大丈夫。

ポイント

・1本目のサーブは確実に入れたいところ
・1本目をきっちりと点を取るのが理想だけど相手に取られても気にする必要はなし

1本目は自分も味方も相手も(何なら観客も)ゴリゴリに緊張した状態です。まずは早いうちに試合の雰囲気に慣れていくことが大事です。

ちなみに大きな声を出すことは緊張をはねのけてくれるよ。緊張で思うように動けないときこそ声を出そう!

試合序盤


試合序盤でのあるあるとして、「うわぁぁ、相手に大量リードされた~!!」と焦るチームが多いのですが、結論から言うと、実はこの前半の大量リードあまり後半に影響しません

「そんなわけ…」と思うかもしれませんが、あきらかな実力差がない場合は中盤もしくは後半にどこかでこちらに流れがくるというケースがほとんどです。(これは私の長年の試合経験から分かったこと)

ただし、ここでやばいチームは、前半リードされて焦りまくって自滅していきます。これはほんとうに致命的ですし、こうなっちゃうチームが多いのが現実。

むしろ、自滅せずに自分たちのバレーをやれば前半リードされていても必ず流れを変えるチャンスはやってくる。焦って空回りしないことが大事。

試合中盤

全国大会の決勝や全日本の大会などで、8点と16点で自動的にとられるタイムで”テクニカルタイムアウト”と呼ばれるタイムがあります。中・高の大会ではない場合がほとんどだと思いますが、実はこの8点と16点はとても大事な数字です。

バレーの数多くの研究では、この8点と16点を先取したほう勝利確率が上がるデータが出ていて、8点だと40%16点だと90%と言われています。つまり先に25点とるぞ!という感覚よりは、先に8点とるぞ!先に16点とるぞ!という感覚のほうがゲームメイクしやすいです。

ポイント

8点を先に取る、16点を先に取るぞ!という感覚をもっておくとやりやすい

試合終盤

試合終盤に関してはポジションごとに絶対に覚えておいてほしいことを解説していきます!

スパイカーの場合

もちろん試合終盤で緊張するのは分かります。でも試合終盤こそ絶対に”ミスすること”は考えてはダメ!「強気」でいかなきゃ勝ち目はないです。

ポイント

試合終盤(というか試合中)はミスすることは絶対に考えない。強気で攻めるのみ!!


ミスすることを考えた瞬間負け。と思っててOK。例えそれが23-24でも弱気になってミスるのと、強気で攻めてアウトになるのでは全く後味がちがいます。

頭は柔らかく気持ちは熱く、「絶対に私(俺)がここで決めてやる」と思える闘争心をもつことが大事です。もしその気持ちが持てないのなら厳しいことを言うかもしれませんが練習不足。こういうときこそ自分がどれだけやってきたかの自信が必要になってきます。

、、、と言うとよくあるのが「試合終盤だから全部思いっきり打たないと!」と思っちゃう人。これはこれで間違い。

フェイントしてもOKです。ただし間違ってほしくないのが「逃げのフェイント」をすること。打つのが怖くてフェイントに切り替えるっていうのは完全に逃げ。でも、決めにいくフェイントはOK。思いっきり打つだけが攻撃じゃないってことも覚えておいてください。

ポイント

「逃げのフェイント」をした時点で負け。フェイントしてもOKだけど決めにいくつもりで!

試合の後半こそ攻める姿勢が大事。攻める強打、攻めるフェイント、攻めるレシーブ。何度も言うけど逃げた時点で勝敗は決まる。


そしてたとえ自分には上がってこなくてもトスを呼ぶことも覚えておきましょう。それだけでも相手にとっては攻められてきている感じがしてプレッシャーになります。

セッターの場合


試合終盤で一番大事と言っても過言ではないのがセッターです。実は私もセッターとしてゲームメイクをしくじって負けた経験があるのですが、そのくらいセッターってポジションは勝敗の要因をにぎっています。基本的な考え方としては…

セッターのトス回しのポイント

・ここぞのときのエース勝負
・その日調子がいいスパイカー
・攻めるオーラが出ているスパイカー

に上げるのが鉄板ではあります。

ただ、スパイカーといっても一人一人違ってくるということは忘れないで下さい。例えば、中盤までは決めるのに後半は萎縮してしまう人や、トスを呼んでるのに気持ちは1歩引いてる人。ほんとうにいろんなタイプがいます(これはある意味当たり前)

つまり明確に「これが正解!!」と誰に上げるかの答えを出すことはできないのです。だからこそ日頃からスパイカーが、どんなタイプでどんな精神状態なのか見抜くことがセッターには求められています(これはすごく難しいことなのですが…)。

表情、その日の調子、声のトーン...実は見るとこはたくさんあります。最終的にそれを判断して、どこにトスを上げるのか決めるのがセッターの仕事です。敵を知る前に味方のことを知らないことにはスパイカー陣を操ることは難しいです。

ポイント

セッターは味方スパイカーの精神状態や表情を見抜く(試合だけでは無理だからこそ日頃からコミュニケーションをはかるべし!)

ちょっとしたテクニックだけど、トスを上げる前に一言「頼んだ」ってスパイカーに声をかえるのもアリだと思います(ただし緊張しまくるタイプの子だと逆効果かも)

リベロの場合

リベロだからこそやってほしいことは「チームメイトへの声掛け」です。ハイキューの登場人物の西谷が「背中は俺がまもってやる!」という超名シーンがあるのですがイメージはまさにそれです。

例えば、声掛けのひとつとして「絶対にブロックフォローに入るから思いっきりスパイク打て!」って言ってあげるだけでも味方スパイカーとしてはめちゃくちゃ心強くなります。

リベロはレシーブのプロだけではなく、同時に声や言葉でも人を動かす能力がある選手が真のスーパーリベロ。

レベルが高いリベロは単にレシーブが上手いだけではなく声掛けやチームのムードをあげることも上手いです

基本的に試合は思ったとおりに運ばないもので予想通りの展開になったらラッキーです。だからこそ焦るのではなく、普段からいろんな場面を想像しておいて冷静に対処するのが一番。

練習は死ぬほど考えながらやそして試合本番は何も考えずに試合だけに集する。これが鉄則です。

結局は試合で焦る焦らないも、どれだけの準備をしてきたかにかかっています。考えずに練習したところでそれは何も身についていないことがほとんど。なんとなくの10本より考えながらの1本。やらされる100本より自分からやる1本。この考え方をを身につけておきましょう。

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